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第13回テーブルウェア・フェスティバル’05暮らしを彩る器展
 国内最大規模ともいえる器の祭典「テーブルウェア・フェスティバル'05 暮らしを彩る器展」が、去る平成17年2月7日から2月14日の8日間、東京ドームにて開催されました。会期が従来より短くなり動員数は例年より減ったものの、来場者は26万人を超え、一日の来場者数で過去最高の記録を出す日もあり、その人気と消費者の関心の高さをうかがえます。このイベントには、各商社や窯元・商店が出店するのはもちろんですが、全国のやきもの産地も「地域」としてのブースを出展しています。
今年の産地「有田」は「和・洋・中 麺の競演」をテーマに出展。うまか陶も、3日間通ってその模様を見学。また会期終了後、3月に開催された産地と主催者側を交えた反省会にも出席させていただきました。


 毎回この「テーブルウェア・フェスティバル」の会場に入ると、来場者の熱気に圧倒されます。このイベント会場の半分以上は、一般公募によるテーブルコーディネート作品や、雑誌やテレビで活躍する著名コーディネーターの作品、国内・海外有名ブランドのコーディネートでしめられています。もちろん来場者のほとんどのお目当てはこのコーディネートコーナー。作品の前で熱心にメモをとったり、デジカメで撮影する風景が恒例となっています。来場者の9割は女性ですが、その多くは器に関して非常に感心の高い方ばかりとも言ってよいでしょう。
単なるお祭りや陶器市とは違い、このような消費者がターゲットになる「場」では、各出展者の取り組みも毎年力が入っています。


 今年の産地・有田は「和・洋・中 麺の競演」をテーマとし、例年にない注目を集めました。和は「うどんや蕎麦」。洋は「パスタ」、中は「ラーメン」といった、明確で具体的な料理をイメージさせる展示構成。これまでの有田はどちらかというと、「器の美しさ」や「器の高級感」・「高い技術」を全面に押し出すような展開でしたが、今回は毎日の食卓と直結した提案が受け入れられたようです。
 また注目を集めたもうひとつのポイントは、ディスプレイなどのプレゼンテーションの方法。テーマに沿った商品をコーディネートして展示するだけではなく、商品のイメージをより楽しくわかりやすく伝える什器が採用されていました。このプレゼンテーションには、今回初めて地元のデザイナーが起用され、「有田焼を十分に知っている人がプランニングした」というのが大きなポイントのようでした。
 もうひとつ、大きな話題を読んだのが、これまでに何度もメディアに登場していた「究極のラーメン鉢」の展示販売です。このイベントで、姉妹品の「究極のレンゲ」も発表され、同じ形状・サイズの器たちが、違う絵柄・色合いでずらりと並ぶ様は壮観!
「どれにしようかしら?」とお買物につきものの「悩む楽しさ」もあったのです。

 後に行われた反省会では主催者側から「『和・洋・中 麺の競演』は今後の有田再生のひとつのきかっけになるのでは」というコメントがありました。有田焼はどちらかというと「高級品」・「美術品」・「プロ向け割烹品」というイメージが高く、産地もそういった商品を中心に開発してきました。しかし昨今の状況から、一般消費者をどこまで取り込めるのかといった課題は切実なものです。「やきものではなく『器』をつくってほしい」という主催者側のコメントが印象的でした。特に「パスタ皿」の開発においては、今後も研究の余地ありとのこと。

 新商品の発表、販売はもちろんですが、出展者にとっては、この「テーブルウェア・フェスティバル'05 暮らしを彩る器展」は大きな情報発信的存在であり、マーケティングの場でもあります。器のオピニオンリーダーともいえる消費者を相手に、どれだけ産地のブランド力をアピールできるか?
「来場者は器に対して目が肥えている人ばかり。去年売れた商品を持ってきても『これは去年あったわ。新しいのはないの?』とそっぽを向かれる恐れもある。」と主催者。テーマを継続し、さらにブランド価値を高めるプレゼンテーションをどう行っていくのか?産地には、単に物づくりだけではなくブランディング力も求められているのです。今年の明るい話題だったこのイベントでの有田の人気を、今後どう展開していくのか。作り手・売り手の奮闘はすでに来年へ向けてスタートしています。


取材協力:大有田焼振興協同組合


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