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陶芸に関する用語集 あ〜お
あ
藍柿右衛門(あいかきえもん)
伊万里焼(いまりやき)の染付(そめつけ)の一種で、白い素地(きじ)に、型打ち成型や銹釉(さびゆう)が口縁に塗られているのが特徴。
会津本郷焼(あいづほんごうやき)
福島県会津本郷町で焼かれたもの。伝統的な飴釉(あめゆう)や灰釉(かいゆう)を使用した陶器、染付(そめつけ)など彩画を行なった磁器が特徴。
■関連リンク やきものの産地・会津本郷焼
会津焼(あいづやき)
別名、会津本郷焼(あいづほんごうやき)。17世紀中頃に開窯し、現在は民芸の窯場として知られ、鰊鉢(にしんばち)は特に有名。
藍九谷(あいくたに)
伊万里焼(いまりやき)の染付(そめつけ)の一種。澄んだ色調の染付(そめつけ)で山水や幾何学文様が施され、丁寧な作りの異形の皿が多い。
青織部(あおおりべ)
織部焼(おりべやき)のひとつで、銅緑釉を器の表面全体に掛けたものと、器の一部に片身替り(かたみがわり)に掛けたものの2種。
青唐津(あおがらつ)
素地(きじ)や釉中(ゆうちゅう)に含まれる鉄分のため、還元炎焼成(かんげんえんしょうせい)で青味を帯びた唐津焼。
青木木米(あおきもくべい)
江戸時代後期の京焼(きょうやき)を代表する陶工で南画家。中国・朝鮮の陶磁器を学び、幅広い作風が特徴。
青木龍山(あおきりゅうざん)
高等学校美術教諭を経て、昭和28年から創作活動を始める。黒天目シリーズが有名な、佐賀県有田の陶芸家で、九州で唯一の日本芸術院会員。
■関連リンク 佐賀の陶芸作家・青木龍山
青手古九谷(あおでこくたに)
緑・黄・藍・紫などの色釉(いろぐすり)で器全体を塗り込めた色絵磁器。赤は決して用いず、古九谷様式(こくたにようしき)の一種。
赤絵(あかえ)
色絵(いろえ)ともいい、赤を主体として緑・黄・藍などの多彩な色釉(いろぐすり)を用いて上絵付け(うわえつけ)をしたもの。日本では有田で始まった。
赤絵屋(あかえや)
佐賀県有田の上絵付け(うわえつ)業者で、鍋島藩の政策により許可があたえられた11軒のみ(のちに16軒)赤絵町に集合。
上野焼(あがのやき)
遠州七窯(えんしゅうななかま)の一つで福岡県田川郡赤池町の陶器。高台が高いのが特徴で、主に土灰釉(どばいゆう)・藁灰釉(わらばいゆう)を使用。
■関連リンク やきものの産地・上野焼
赤膚焼(あかはだやき)
遠州七窯(えんしゅうななかま)の一つで、奈良市赤膚町大和郡山市で焼かれる陶器。萩釉を掛け奈良絵風の絵付けが特徴。
■関連リンク やきものの産地・赤膚焼
赤楽(あからく)
白土や赤土に、酸化鉄を化粧掛け(けしょうがけ)したものに透明釉(とうめいゆう)を掛け、低火度(ていかど)で焼いた楽焼(らくやき)の一種。
朝日焼(あさひやき)
遠州七窯(えんしゅうななかま)の一つで、京都府宇治市朝日山の陶器。御本風(ごほんふう)の茶碗が主で素地(きじ)は褐色、刷毛目(はけめ)の櫛描きものが多い。
安宅コレクション(あたかこれくしょん)
旧安宅産業(株)が収集した東洋陶磁で、大阪市に寄贈。1982年これを元に大阪市立東洋陶磁美術館が開館。
渥美(あつみ)
愛知県の渥美半島にて、平安時代から鎌倉時代に焼かれた焼締陶(やきしめとう)。主に壺、甕(かめ)、擂鉢(すりばち)などを生産。
穴窯・窖窯(あながま)
山の斜面を掘り天井だけを構築したものと、トンネル状に掘り抜いたもので、いずれも単室の窯。
天草陶石(あまくさとうせき)
熊本県天草郡下島でとれる陶石(とうせき)で、素地(きじ)と釉(うわぐすり)のどちらにも使用。良質な原料のため現在も全国各地に搬出。
雨漏り(あまもり)
高麗茶碗(こうらいぢゃわん)の一種。茶碗の内外に現れる雨の漏ったような、シミに似た模様。
飴釉(あめぐすり・あめゆう)
酸化焼成(さんかしょうせい)により鉄分が、飴色に発色する釉であり、鉄釉(てつぐすり)のこと。
荒川豊蔵(あらかわとよぞう)
大萱(おおかや)牟田洞で志野の陶片を発見し、志野(しの)・瀬戸黒(せとぐろ)などが美濃(みの)で焼かれていたことを証明。桃山志野を再現。
有田(ありた)
江戸時代以降に、佐賀県西松浦郡有田町周辺で焼かれた磁器の総称。
有田焼(ありたやき)
佐賀県西松浦郡有田町の磁器の総称で、伊万里焼(いまりやき)ともいわれ、我が国最初の磁器。
安南焼(あんなんやき)
ベトナムで製作された陶磁器。室町末期から江戸前期に日本に渡来し、茶人に好まれた茶碗・水指などが多い。
■関連リンク やきものの産地・アジア


い
伊賀焼(いがやき)
三重県上野市・丸柱(まるばしら)周辺で焼かれたもの。桃山時代には、自然釉(しぜんゆう)や焦げなどの景色(けしき)が豪快な、織部好み(おりべごのみ)の優品を焼造。
■関連リンク やきものの産地・伊賀焼
鋳込み(いこみ)
石膏型に水で溶かした陶土を流し込む成型法。轆轤(ろくろ)成形では不可能な、複雑な形や薄手もが可能。
石黒宗麿(いしぐろむねまろ)
中国・磁州窯(じしゅうよう)の掻き落とし(かきおとし)や、木の葉天目(てんもく)を再現し、柿釉(かきゆう)・黒釉(こくゆう)・銀釉などを応用した作品を残した陶芸家。
石はぜ(いしはぜ)
素地(きじ)に入っていた砂石が焼成後にはじけだし、表面に現れ一つの景色(けしき)となったもの。
出石焼(いずしやき)
兵庫県出石町の磁器。柿谷陶石と呼ばれる純白の原料を使うため、透きとおるような白が特徴。
泉山(いずみやま)
佐賀県有田町の北東部にあり、李参平(りさんぺい)が日本初の磁石を発見した地名であり、そこで採れる磁石。
柞灰(いすばい)
ユス灰とも呼ばれ、静岡県以西に生えるイスノキを焼いて灰にしたもの。
柞灰釉(いすばいゆう)
石灰分の多いイスノキの灰を用いた、磁器釉の媒熔剤。
板谷波山(いたやはざん)
アール・ヌーヴォ様式の影響を受け、端正で流麗な作風と、優れた薄肉の彫刻文様が特徴である陶芸家。
■関連リンク 展覧会レポート・板谷波山展
イッチン描き(いっちんがき)
土を溶かし、細い筒や紙の先に金具を付けたものに流し込んで文様を描く。丹波焼(たんばやき)に多い。
糸切(いときり)
轆轤(ろくろ)成形したものを、より糸で切り離す際できた渦巻き状の痕。この渦巻きの方向が茶入れでは見所。
糸底(いとぞこ)
糸尻(いとじり)ともいい、陶磁器の底のこと。轆轤(ろくろ)から切り離した際に、底に残る糸切り痕が由来。
井戸茶碗(いとぢゃわん)
高麗茶碗(こうらいぢゃわん)の一つ。枇杷釉(びわゆう)が美しく、梅華皮(かいらぎ)など茶碗としての見所があり古くから茶人に珍重され、名品も多い。
井上萬二(いのうえまんじ)
12代酒井田柿右衛門氏(さかいだかきえもん)に師事。伝統的な白磁製作技法が特徴である、佐賀県有田の陶芸家。国の重要無形文化財にも指定されている。
■関連リンク 佐賀の陶芸作家・井上萬二
今泉今右衛門(いまいずみいまえもん)
鍋島藩窯(はんよう)の御用赤絵師(ごようあかえし)を務めた当代14代目。伝統を受け継ぎながらも薄墨など新たな技法で独自の作風を表現。千代の13代は国の重要無形文化財にも指定されている。
■関連リンク 佐賀の陶芸作家・13代今泉今右衛門
■関連リンク あの人に会いたい・14代今泉今右衛門

■関連リンク 筒井ガンコ堂のガンコスタイル・13代今泉今右衛門さんを悼む
■関連リンク 筒井ガンコ堂のガンコスタイル・今右衛門の創造世界
伊万里焼(いまりやき)
佐賀県有田町で焼かれた磁器で伊万里湾より船積みされ古くからこの名で呼ばれた。磁器としては日本で最初。
伊羅保(いらぼ)
高麗茶碗(こうらいぢゃわん)の一種。鉄分の多い荒い土で肌が焦げ、手触りがイボイボしているのが特徴。
色絵(いろえ)
赤絵(あかえ)ともいい、上絵具(うわえのぐ)で陶磁器の釉(うわぐすり)の上から模様をつけたもの。古九谷(こくたに)、柿右衛門(かきえもん)、鍋島(なべしま)や仁清(にんせい)などが代表。
色鍋島(いろなべしま)
染付(そめつけ)の文様に、赤・緑・黄などの上絵具(うわえのぐ)を施した色絵磁器で、鍋島焼を代表する手法。
印花(いんか)
型押模様、押印文ともいう。乾燥前の素地(きじ)に、文様を彫りつけた印材を押し付けることで表した文様。
イングレース
釉(うわぐすり)の上に絵付けして焼くと、釉の中に絵文様が染み込む、上絵と下絵の中間的技法。
印刻・陰刻(いんこく)
彫り込むことで表された文様で装飾法の一つ。
影青(いんちん)
鎌倉・室町時代に輸入された、中国の青白磁(せいはくじ)。
印判手(いんばんで)
手描きではなく、判や印刷によって文様を表し、同じ模様の器を多数作る際に用いた装飾法。


う
浮き彫り(うきぼり)
文様の周辺を彫って、文様を表面から浮かび上がらせる装飾法。
現川(うつつがわ)
長崎県長崎市で焼かれた陶器。刷毛目(はけめ)に呉須(ごす)などの絵付けが施されたもの。
馬の目皿(うまのめざら)
渦巻き状の馬の目が描かれ、江戸後期から明治にかけて瀬戸(せと)で焼かれた日用大皿。
嬉野焼(うれしのやき)
佐賀県嬉野町の陶器。嬉野徳利が知られており、朝鮮より帰化した陶工中相原・金原らが内野山に開窯。
上絵付け(うわえつけ)
本焼き後、釉薬(ゆうやく)の上から模様を描くこと。下絵付けでは色彩が限定されるのに対し、多彩な色彩の表現が可能。
■関連リンク 陶芸の製作道具・上絵付けに使用する道具
上絵具(うわえのぐ)
陶磁器の上絵(うわえ)を描くための絵の具で、低火度(ていかど)で焼成。
釉薬(うわぐすり)
陶磁器の表面に施したガラス質の被膜。吸水性をなくし、それ自体が装飾ともなる。「ゆうやく」とも呼ぶ。
雲鶴(うんかく)
高麗青磁(こうらいせいじ)や三島などに多く見られる、飛雲舞鶴の押印や象嵌(ぞうがん)の文様。
雲錦手(うんきんで)
描法が独特な文様で、桜と紅葉をあしらった色絵(いろえ)。花の雲、紅葉の錦の意味。


え
永楽保全(えいらくほぜん)
京焼(きょうやき)の陶工。交趾(こうち)写し・染付(そめつけ)・金襴手(きんらんで)などに優品が多い、幕末の名工。
永楽和善(えいらくわぜん)
保全の長男。京焼(きょうやき)の陶工であり、作風は祥瑞(しょんずい)、染付(そめつけ)、金襴手(きんらんで)、仁清(にんせい)写しまでと幅広い。
絵唐津(えがらつ)
鉄で絵を描いて、透明釉(とうめいゆう)をかけた唐津焼。草花、人物文様が主で発色は赤褐色と黒色の2種。
江口勝美(えぐちかつみ)
佐賀県武雄市の陶芸家で、1968年武雄古唐津系小山路窯を再興。刳抜と呼ばれる技法で、独自の世界を切り開く。佐賀県の重要無形文化財に指定されている。
■関連リンク 佐賀の陶芸作家・江口勝美
■関連リンク 展覧会レポート・江口勝美の世界
■関連リンク 展覧会レポート・佐賀新聞文化セミナー「焼き物アラカルト」
絵高麗(えごうらい)
白化粧の陶土に絵付けのある、李朝(りちょう)の茶碗。中国・磁州窯(じしょうよう)をはじめ各地で焼成。
絵志野(えしの)
長石釉(ちょうせきゆう)の下に、鬼板(おにいた)で鉄絵(てつえ)を施した志野(しの)の一種。
越前焼(えちぜんやき)
福井県織田町・宮崎村を中心とし、その規模は北陸最大。壺・甕(かめ)・擂鉢(すりばち)を中心とする無釉の焼締陶(やきしめとう)。
■関連リンク やきものの産地・越前焼
越州窯(えっしゅうよう)
中国・漢時代から宗時代に青磁(せいじ)の中心となった、浙江省紹興周辺の窯。
■関連リンク やきものの産地・中国
エナメル絵の具(えなめるえのぐ)
七宝のように、硼酸(ほうさん)や硼砂(ほうしゃ)を多くして、溶けやすくした着色ガラス。
遠州七窯(えんしゅななかま)
江戸初期の武士・小堀遠州(こぼりえんしゅう)が好んだ七つの窯。上野(あがの)赤膚(あかはだ)・朝日(あさひ)・古曾部(こそべ)・志戸呂(しどろ)・膳所(ぜぜ)・高取(たかとり)。
塩釉(えんゆう)
焼成中、窯の中に塩を入れてソーダがラスの質の層を生じさせ、自然釉(しぜんゆう)がかかったような効果を演出。
鉛釉(えんゆう)→なまり
主成分が酸化鉛である釉薬(ゆうやく)。低火度(ていかど)で溶け、三彩(さんさい)や緑釉(りょくゆう)、楽焼(らくやき)の釉(うわぐすり)、色絵具(いろえのぐ)などに用いる。


お
大井戸(おおいど)
高麗茶碗(こうらいぢゃわん)の一つ。茶碗の中でも特に評判が高い茶碗で、井戸茶碗(いどぢゃわん)の見込みの深いもの。
大窯(おおがま)
穴窯(あながま)に変わり、室町後期に出現した半地上式の窯で面積、体積は穴窯の倍以上。
大川内山(おおかわちやま)
佐賀県伊万里市にある、青螺山(せいらさん)の麓の地域。江戸時代には、鍋島藩窯(はんよう)が置かれた秘窯の里。
大谷焼(おおたにやき)
徳島県阿波鳴門近郊の焼き物。徳島藩窯(はんよう)として磁器を焼いたが失敗し、現在は陶器の雑器窯として再興。
大樋焼(おおひやき)
石川県金沢の楽焼(らくやき)の脇窯。赤楽(あからく)に似て緻密な土質で、飴釉(あめゆう)を用いるのが特徴。
尾形乾山(おがたけんざん)
陶工、画師。野々村仁清(にんせい)に作陶を学び、京都の北西(乾(いぬい)の方角)鳴滝に窯を築き、乾山と称す。
奥高麗(おくごうらい)
唐津焼の一種。朝鮮の李朝(りちょう)で焼かれた高麗の茶碗に似た、無地で素朴な趣きのある茶碗。
奥田頴川(おくだえいせん)
京焼(きょうやき)の陶工。30歳の頃、趣味から作陶の道に入り、京都では初めて磁器の焼成に成功。呉須赤絵(ごすあかえ)が得意。
御茶わん窯(おちゃわんかま)
唐津藩の御用窯(ごようがま)。ここで焼かれたものが献上唐津(けんじょうからつ)と称される。
鬼板(おにいた)
瀬戸地方で大量に産する鬼瓦に似た板状の褐鉄鉱。釉薬(ゆうやく)や絵志野(えしの)の鉄絵(てつえ)に用いられる。
御庭焼(おにわやき)
江戸時代、自らの趣味で大名や重臣が城内や邸内に窯を築いて焼かせた焼き物。
御深井(おふけ)
美濃焼と瀬戸焼にあり、透明の淡青色をした御深井釉と呼ばれる釉がかかった焼き物。尾張徳川家の御用窯(ごようがま)。
御室焼(おむろやき)
野々村仁清(ののむらにんせい)が京都市右京区御室堅町に開窯し、そこで焼かれた焼き物。
オランダ東インド会社(おらんだひがしいんどがいしゃ)
16世紀末よりアジアの貿易活動を行なった独占企業体。中国陶磁や日本陶磁をヨーロッパやアジア各地へ輸出。
織部(おりべ)
茶人古田織部(ふるたおりべ)の好みによって17世紀初頭から美濃(みの)で焼かれたもの。色釉、文様、形状が奔放で斬新なものが多い。
小鹿田焼(おんだやき)
大分県日田市源栄町で焼かれる陶器。装飾法として刷毛目(はけめ)、飛び鉋(とびかんな)、櫛目(くしめ)などが特徴。
■関連リンク やきものの産地・小鹿田焼
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