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2010 おすすめ展覧会
−全国美術館で開催のやきもの関連展覧会−
朝鮮陶磁 −柳宗悦没後50年記念展
<会期> 平成22年4月1日(木)〜6月27日(日)
 「朝鮮陶磁 −柳宗悦没後50年記念展」を開催いたします。この展覧会は、日本民藝館の所蔵する朝鮮陶磁器約270点の逸品を一堂に紹介するもので、当館が誇る朝鮮陶磁コレクションの至宝展とでもいうべきものです。
当館には約600点の朝鮮陶磁器が収蔵されておりますが、そのほとんどは創設者柳宗悦(1889〜1961)の審美眼によって選ばれました。高麗時代の陶磁器もわずかに含みますが、朝鮮時代17世紀末から19世紀後半の陶磁器がその主体となっており、国内屈指の質と量を誇るものです。
ちなみに、「李朝陶磁」の名で知られている朝鮮時代の陶磁器の真価を広く世に知らしめたのは、他ならぬ柳宗悦の功績であったといえましょう。柳は朝鮮固有の造形美をそこに見出し、また美の創造主としての民族の姿を発見したのでした。
そして、朝鮮陶磁器の展覧会を通して、それらの価値を広く世に問うと共に、その美しさに触発されて朝鮮の芸術に関する数々の論考を発表していったのです。
ところで、美しき器物への情愛が、それを生み出した国や民族にも注がれることは柳にとって至極自然の行為でした。朝鮮陶磁器の美しさに心を奪われた柳は、生みの親である朝鮮の人々に限りない敬愛の心を寄せていったのです。そして同時に、当時の日本政府による朝鮮や朝鮮民族に対する不当な扱いに対して胸を痛めた柳は、時代の流れに抗するようにペンをもって勇敢に戦ったのです。
本展で紹介される朝鮮陶磁器の数々は、そんな柳がことのほか愛したものたちです。そしてその出会いは、柳の後の人生の方向性を決定づける大きな契機となり、後の民藝美論の礎となる「雑器の美」への目覚めへと繋がっていったのでした。
本年2010年は、柳宗悦が没して50年となります。しかし、柳が傾注した朝鮮陶磁器あるいは朝鮮の人々への敬愛を、けっして過去のものに終わらせてはなりません。願わくば、この記念すべき年にあたり、本展が韓国との新たな友好の礎となれば望外の喜びであります。

会場 日本民藝館
住所 〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-33
電話 03-3467-4527
入館料 一般1000円、大高生500円、中小生200円
開館時間 10:00〜17:00
休館日 月曜日(ただし5月3日は開館し、5月6日振替休館)
URL http://www.mingeikan.or.jp/
交通 京王井の頭線駒場東大前駅西口より徒歩7分
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