近世の器 酒宴のやきもの
<会期>平成15年11月22日〜平成16年1月18日
 日本のやきものは、近世になるとともに大きく発展している。釉薬の増加などによる多色の世界の形成・筆を用いた絵画的な絵付の開始・磁器の創始による白い素地の確立・軟質施釉陶器の出現などがその大きな要因となっている。これらの事象が、それぞれあるいは相互に関係を持ちながら展開しており、新しいやきものが次々に誕生した時期である。
 陶磁資料館では、これらの近世のやきものについて、茶の湯の器、煎茶の器、花器などのテーマごとに紹介してきたが、今回は酒器にスポットを当てることとなった。
 酒は、古くから神と人を結ぶ媒体とされた他、大変美味で飲むこと自体が楽しい大切な嗜好品であり、料理を美味しく楽しくさせてくれる。さらに酒は、社会・経済との深い関係はもちろん、芸術や科学などの発展や人間の精神・肉体への影響も大きく、これらを含む文化的効果も計り知れないものがある。酒を飲むための器も、日本では特に清酒の普及とともに多様化し、発展する傾向が認められる。このためここでは、主に近世の酒器を中心に、それに伴う宴席の器を加え、華やいだやきものの世界を紹介するものである。あわせて著名な物故作家の作品から酒器を紹介する。

■展示作品 ・染付雪輪文瓶    有田 江戸・18世紀 当館蔵
・らっきょう形徳利   備前 江戸・17世紀 当館蔵
・鉄釉銚子       志戸呂 江戸・17世紀 当館蔵
・灰釉三亀盃台    春宇 江戸・18世紀末 個人蔵
・三彩茄子形徳利   梅林 江戸・18世紀末 滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵
ほか

会場 愛知県陶磁資料館
住所 〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町234番地
電話 0561-84-7474
入館料 一般400円(320円) 高・大生300円(240円) 中学生以下無料
( )内は20名以上の団体料金
交通 名鉄バス:地下鉄東山線藤ヶ丘駅から約23分(約30分に1便)
名鉄尾張瀬戸駅から約21分(ただし、土曜、休日のみ運行)
愛知環状鉄道八草駅から約10分
自家用車:名古屋インターから瀬戸、豊田、足助方面に約10km
タクシー:地下鉄東山線藤ヶ丘駅から約20分
名鉄尾張瀬戸駅から約15分
開館時間 9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日 月曜休館 ただし休日の時は開館、翌火曜日休館。
年末年始(12/28〜1/5)
URL http://www.pref.aichi.jp/touji/
併設展 源内焼 −平賀源内のまなざし−色・形・文様 
12月6日〜1月18日(本館特別展示室)