特別展 町かどのモザイクタイル展
<会期>平成15年11月3日〜平成16年1月31日
 モザイクの歴史は古く、紀元前2000年頃の北イラクのウルクという都市で、陶片を使ったモザイクが制作されています。その後、地中海沿岸地方を中心に、大理石やガラスなどの小片を使ったモザイクが作られ、建築の壁面や床、天井、柱周りなどを装飾してきました。
 さて、現在身近に見られるモザイクといえば、マンションの外壁によく使われる45mm×90mmの長方形のタイルや45mm角の正方形の小型タイルですが、大理石モザイクから比べるとかなり大粒です。しかし以前には、ずっと小さなモザイクタイルもつくられていました。形は主力の正方形や長方形のほかに、棒状、丸型、六角、三角、不定形などさまざまです。単色張りのほか、様々な形と色を組み合わせた模様張りや、複数の色合いによる乱張りなどによって壁面や床面を装飾しました。中には著名作家によるモザイクアート作品の画材として利用されたものもあります。
 このように、戦後から昭和40年代には様々なモザイクタイルが登場しました。やきものの味わいのある窯変調や、石の斑点のように見える擬石調、大理石に見えるマーブルタイルのほか、様々な工夫を凝らしたモザイクタイルがつくられ、ショーウインドウの腰壁、銭湯の浴室、たばこ屋や飲食店の店先、一般家庭の玄関の腰壁や水廻りなどに使われました。また、特に小さく軽いため、曲面や狭いところでも収まりが良く、天井や庇などにも簡単に張れるという特長がありました。
 現在でも、このような小粒のモザイクは健在ですが、色合いは原色ものが好まれ、店舗の内装や家庭のキッチン、トイレ、浴室などに様々な色を使って模様張りされています。また、カラフルな割りタイルのモザイクも人気があります。
 本展では、昭和30年代〜40年代の懐かしく愛しいモザイクタイルを、カタログや見本台紙、また今にその姿をとどめる施工例写真で紹介します。小さなスペースを充実したデザインで飾って完結するというモザイクタイルの良さを再発見していただければ幸いです。

■展示作品 ・モザイクタイルを使った古い施工例の写真パネル
・昭和40年代の古いモザイクタイルの台紙
・見本張りパネル
・張り壁・床のカットサンプル
ほか

会場 世界のタイル博物館  1階企画展示室、カフェギャラリー
住所 〒479-0823 愛知県常滑市奥栄町1丁目130
電話 0569-34-8282
入館料 一般500円/高・大生300円/小・中学生200円
(団体割引あり)
交通 名鉄常滑駅より知多バス・知多半田行き 「常滑東口」下車徒歩2分
同駅より車で約6分(乗用車・バス駐車場完備)
開館時間 10:00〜17:00(但し入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日、祝日の場合は翌日、年末年始(12月25日〜1月3日)・夏期
URL http://www.inax.co.jp/museum/