愛知万博記念特別企画展
近代窯業の父 ゴットフリート・ワグネルと万国博覧会
<会期>平成16年4月3日(土)〜6月27日(日)
 明治初年(1868)に来日したドイツ人ゴットフリート・ワグネル(1831−1892)は、日本の近代産業の発展に大きな役割を果たした人物です。なかでも窯業に対する影響は大きく、現在の陶磁器制作に欠かすことのできない洋絵具の普及、窯内部の温度を測定するゼーゲル錐の導入や窯の改良などはすべてワグネルの功績です。
 また、明治政府が初めて正式参加した明治6年(1873)のウィーン万国博覧会に出品される陶磁器を始めとする工芸品の選定にあたっています。その結果、日本の出品物は大好評をもって迎えられることになりました。
 ワグネルは教育・人材育成にも尽力し、今京都舎密局や東京大学、東京職工学校(現・東京工業大学)などで教鞭をとり、そこから植田豊橘、藤江永孝、平野耕輔をはじめ、多くの日本窯業界の指導者が輩出されました。
 陶磁器分野における彼の最大の功績は、従来は不可能だった鮮やかで繊細な色彩表現が可能な欧米の最新窯業技法「釉下彩(ゆうかさい)」を用い、日本的な意匠を題材にした陶器「吾妻焼(あづまやき)」、後の「旭焼(あさひやき)」の焼成に成功したことです。釉下彩技法は、宮川香山や加藤友太郎などがさらに試験・研究を重ね、板谷波山の「彩磁(さいじ)」技法へと昇華されており、その後の日本陶磁を華やかに変貌させた重要な技術でした。
 本展では、ワグネルの窯業分野の功績を中心に顕彰し、「旭焼」の作品やその下図など約70点、そして「旭焼」以降の釉下彩技法を用いて華やかな作品の数々を生み出した宮川香山・清風与平・加藤友太郎・西浦圓治・石野竜山から板谷波山までの作品をあわせ、約140点の作品で紹介するものです。


会場 愛知県陶磁資料館・本館 第1・2展示室
住所 愛知県瀬戸市南山口町234番地
電話 0561-84-7474
入館料 一般600円(480円)/高大生500円(400円)/小中学生300円(240円)
※( )内は20名以上の団体料金
交 通 名鉄バス:地下鉄東山線藤ヶ丘駅から約23分(約30分に1便)
名鉄尾張瀬戸駅から約21分(ただし、土曜、休日のみ運行)
愛知環状鉄道八草駅から約10分
自家用車:名古屋インターから瀬戸、豊田、足助方面に約10km
タクシー:地下鉄東山線藤ヶ丘駅から約20分
名鉄尾張瀬戸駅から約15分
開館時間 9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日 毎週月曜日(但し5月3日[月]は開館、5月6日[木]は閉館)
URL http://www.pref.aichi.jp/touji
関連イベント ・記念シンポジウム「交流と調和−近代窯業の発展−」
日   時 平成16年6月5日(土)午後1時から午後2時30分
               6日(日)午前11時から午後4時10分
会   場 愛知県陶磁資料館 本館地下講堂
参 加 料 無料(但し、資料代・展覧会観覧は有料)
基調講演 道家達将氏/東京工業大学名誉教授
       二階堂充氏/横浜美術館学芸課長

・ギャラリートーク
日 時 平成16年6月13日(日) 午後1時30分から午後3時
会 場 愛知県陶磁資料館 本館地下講堂及び展示室
参加料 無料(但し、展示室に入る際は観覧料が必要)
講 師 当館学芸員