石川県九谷焼美術館収蔵品展PARTT
幕末・明治の青九谷 青手の継承
<会期>平成16年4月29日(木)〜7月11日(日)
 石川県九谷焼美術館収蔵品展PARTTとして、幕末・明治の青九谷をとりあげます。
 古九谷窯が廃窯になって120年後、窯を九谷の地で再興した吉田屋は、青手様式を見事に復活し独自の優美さをくわえて吉田屋風とでも呼ぶことの出来るあたらしい様式を確立しました。世にいうところの「青九谷」の誕生だったのです。
 しかしながら、たった7年で吉田屋窯はその命脈を絶つことになります。窯を継いだ宮本屋窯ではやがて赤絵細描九谷が主軸製品となってしまい、幕末を迎えることとなります。そこで大聖寺藩は古九谷来の青手の灯を消すまいとの決意で藩窯松山窯を開窯し「青九谷」を藩の贈答用品として生産させるようになります。その後、藩は吉田屋窯来の山代九谷窯を保護するため松山窯の助成を打ち切るのですが、藩が点した「青九谷」の灯は多くの職人たちの手で県内各地へ拡散していくことになるのです。
 明治に入ってきらびやかな彩色金襴の貿易九谷が脚光を浴びた最盛期にも「青九谷」は造られ続け、九谷焼の一様式としてその地位を確立していきました。
 明治の青九谷には職人たちのそれぞれの個性が色濃く投影されており、やがて来る個人工房や作家の時代を予期させています。絵の巧拙を越えた個性の有り様がそれぞれの製品から感じられるのです。青手古九谷や吉田屋九谷と現代九谷を繋ぐブリッジ役をはたした幕末・明治の「青九谷」。
 今回は、これまで取り上げられることが少なかった幕末の松山窯以降から明治時代に造られた青九谷を<青手の継承>と敬意をこめて呼称し展観いたしました。是非この機会に多くの方々にご覧いただきたいと存じます。
 最後に当館へこれらの品々をご寄託くださっておられる個人所蔵家の皆様に衷心より御礼申し上げます。


会場 石川県九谷焼美術館 企画展示室
住所 石川県加賀市大聖寺地方町1-10-13
電話 0761-72-7466
入館料 一般500円(420円)/高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金です。
交 通 小松空港から車で30分
北陸自動車道・加賀ICから10分、金沢ICから車で40分
JR加賀温泉駅から車で15分、JR大聖寺駅から徒歩で8分
開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(祝日は開館)
URL http://www.kutani-mus.jp/