洛陽の夢 唐三彩展
<会期>平成16年7月24日(土)〜9月5日(日)
 唐三彩とは、中国で唐時代の7世紀後半から8世紀前半に焼成された鉛釉陶器のことで、鉛釉を掛けた上に、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルトなど掛け分けることによって、緑色、褐色、藍色などの発色を得る色彩豊かな陶器です。白、緑、褐の三色のものが多いのですが、藍が加わった四色のもの、二色のものなども含めて唐三彩と称されます。
 唐時代には首都が長安(現在の陝西省西安市)にありましたが、河南省の洛陽は東の副都として栄え、女帝・則天武后の時代には首都となったことがあります。唐三彩は河南省を故郷とし、おおよそ則天武后の治世の頃に大きく発展したやきものです。しかし、唐三彩がいつ誕生し、どのような様式的変化を遂げつつ展開したのかについて、多くの謎に包まれていました。
 洛陽は、全国でも唐三彩が最も集中して出土する地域です。唐三彩の著名な産地として、洛陽の東50kmのところにある黄冶窯があります。黄冶窯は唐三彩を焼成する数ある窯の中で最も高品質な製品を生産した窯として知られ、洛陽近郊の唐墓で出土する唐三彩の多くが黄冶窯の製品であることが判明しています。近年、黄冶窯の本格的な発掘調査が行われ、唐三彩の製作技術や造形・装飾などの発展について多くのことが明らかになってきています。
 本展では、洛陽市安菩墓、偃師市哀皇后墓、偃師市張思忠墓、孟津県屈突季札墓、鞏義市北窯湾唐墓、鞏義市黄冶窯址など、洛陽を中心とする地域から出土した最新の発掘資料を通して、唐三彩の誕生と展開の謎に迫ります。また、唐王朝の貴族文化の煌びやかさや、シルクロードによる西方文化との交流の痕跡などとも合わせて、華麗で独創性あふれる唐三彩の魅力を余すところなく紹介します。

会場 山口県立萩美術館・浦上記念館
住所 山口県萩市平安古586-1
電話 0838-24-2400
入館料 一般1000円(800円)/学生800円(600円)
※( )内は前売り及び20名以上の団体料金。70歳以上と18歳以下の方、および高等学校、中等教育学校、盲学校、養護学校に在学する生徒は無料。
交 通 JR東萩駅=タクシー7分/まあ〜るバス20分/徒歩30分
JR小郡駅=バス70分(萩バスセンター下車、徒歩15分)
石見空港(島根県益田市)=バス75分(萩バスセンター下車、徒歩15分)
中国自動車道=小郡インター、美祢インター各50分
開館時間 9:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 毎週月曜日休館
URL http://www.hum.pref.yamaguchi.jp/
関連イベント ・記念講演会(いずれも聴講無料です。受付先着順80名)
「則天武后と唐三彩の時代」森 達也氏(愛知県陶磁資料館学芸員)
 7月24日(土)13:30〜15:00
「唐時代の俑について―長安と洛陽を中心に―」小林 仁氏(大阪市立東洋陶磁美術館学芸員)
 7月31日(土)13:30〜15:00

・ミュージアム・コンサート(事前申し込みと観覧券が必要です)
「中国悠久の響き〜唐時代から現代まで〜中国楽器によるコンサート」
 江舟氏(琴・古箏)、揚藝氏(二胡)、周暁丹氏(揚琴)
 8月14日(土)14:00〜15:30
 お申し込みは、山口県立萩美術館・浦上記念館「ミュージアム・コンサート」係まで

・ギャラリーツアー
 毎週日曜日 11:00〜12:00