ミノ・セラミックス・ナウ2004
「美濃」から「MINO」へ ―世界へ発信する伝統と現代の陶芸家たち
<会期>平成16年9月4日(土)〜12月5日(日)
 岐阜県南東部東濃地方で焼かれるやきものは“美濃焼”と呼ばれ、この地域は古くは織部、志野、黄瀬戸などの桃山茶陶を中心として華ひらいた屈指の窯業地です。
 現在、日常雑器の生産地として知られるこの地域の陶芸制作におけるターニングポイントは、昭和5年(1930)岐阜県可児市久々利大萱で桃山時代の志野陶片が発掘されたことといえるでしょう。それまで瀬戸産とされていた黄瀬戸や志野、瀬戸黒、織部などが美濃の地で焼かれていたことが証明され、“美濃焼”が産地ブランドとしての力を得ることになります。
 戦後には、重要無形文化財保持者として第1次認定された荒川豊蔵、岐阜県陶磁器試験場の場長としてと勤めた五代加藤幸兵衛、クラフト運動を実践した日根野作三、安藤知山、青磁・青白磁の探求者である塚本快示らが、この地域の陶芸発展の先駆者というべき活動をくり広げます。窯業界人材の育成を目的とした岐阜県立多治見工業高等学校、岐阜県陶磁器試験場(現セラミック技術研究所)、多治見市陶磁器意匠研究所では、地元出身者のみならず、他府県から多くの若者達が学び活躍するようになりました。
 そして1986年から始まった国際陶磁器フェスティバル美濃の開催により世界各地の窯業地、研究機関にやきもの王国日本において「伝統と現代が交差している場“MINO”」と言った現役の窯業地としてのステータスを獲得します。
 本展覧会はMINOを足がかりに、ひろく岐阜全域で活躍する作家120名の作品を、「美濃陶芸の先駆者たち」「美濃焼復興」「古典から造形へ」「オブジェとクラフト」「公募展とニューウェーブ」の5部構成でご紹介します。

会場 岐阜県現代陶芸美術館
住所 岐阜県多治見市東町4-2-5
電話 0572-28-3100
入館料 一般800円(700円)/大学生600円(500円)/小中高生400円(300円)
※( )内は20名以上の団体料金
交 通 ・中央自動車道多治見IC(小牧JCT経由)から約10分、中央自動車道土岐IC(岡谷JCT経由)から約10分
・JR多治見駅から車で約10分
・JR多治見駅から東濃鉄道バスでセラパーク・現代陶芸美術館口下車、徒歩8分
・多治見市コミュニティバス オリベルート(土・日・祝運行)JR多治見駅発・MINO発 セラパーク下車
開館時間 10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日 毎週月曜日
9月20日・10月12日は開館(翌日は振替休館)
URL http://www.cpm-gifu.jp/museum
同時開催 ・セッションT
 9月5日(日)14:00−16:00
 シンポジウム:美濃陶芸の現在「茶陶・造形・クラフト」
 ナビゲーター:高満津子(当館学芸員)
 パネリスト:伊藤慶二、加藤委、加藤陽児、堀俊郎

・セッションU
 9月19日(日)14:00−16:00
 シンポジウム:教育・研究の現場から「多治見工業、セラ研、意匠研」
 ナビゲーター:立花昭(多治見市農林商工課)
 パネリスト:伊村俊見、中島晴美、長谷川善一

・トークT
 10月3日(日)14:00−16:00
 自作を語る 吉田喜彦

・トークU
 10月17日(日)14:00−16:00
 自作を語る 安藤光一

・トークV
 10月31日(日)14:00−16:00
 自作を語る 加藤幸兵衛
 ※いずれも岐阜県現代陶芸美術館プロジェクトルームにて

・ギャラリートーク
 会期中、毎週日曜日の午後2時より、当館学芸員による展示案内を行います。
 (ただし、9月5日、9月19日、10月3日、10月17日、10月31日は企画事業開催のため行いません)

・大人の茶会
 9月17日(金)
 14:00−16:00 女性だけのお茶会―作法と実践
 19:00−21:00 男性だけのお茶会―作法と実践
 会場:茶室(セラミックパークMINO)
 定員:各回10名
 参加費:無料
 講師:水野宗季先生
 申込:8月17日より電話受付(先着順)

・文化の日スペシャル
 11月3日(水)
 13:00−13:50 講演会「土の音を聞く―演奏・永田砂知子」
    会場:岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーT
    美術館入館には、展覧会鑑賞券が必要です
 14:00−16:00 トークショー/ゲスト 井上隆生(元朝日新聞編集委員)
    会場:岐阜県現代陶芸美術館 プロジェクトルーム
    定員:50名
    聴講料:無料、ただし展覧会観覧には別途観覧券が必要です。