企画展第3弾 飯田屋八郎右衛門生誕200年記念
赤絵細描の妙技展
<会期>平成16年9月25日(土)〜12月5日(日)
 この度、秋季企画展として「飯田屋八郎右衛門生誕200年記念 赤絵細描の妙技」展を開催いたします。八郎右衛門は江戸時代後期に活躍した赤絵細描九谷の大成者であります。古九谷廃絶後、再興九谷随一の窯としていまや全国にその名が広まっている名陶吉田屋九谷のあとを実直に引き継いだ宮本屋窯の主工であり、その熱意と感性を赤絵細描に注ぎ込みました。
 それまで青手あるいは色絵五彩手が中心であった九谷焼の様式に、赤絵細描が加わることになったのです。それまでにも中国にみられた赤絵金襴手を原点にして、その技法に近いものが加賀藩内の再興九谷諸窯で試されてはいましたが、そのような中に登場したのが八郎右衛門であり、線描を限りなく細く、器一面に文様を描き込めるという独特の技法により、ついに赤絵細描の様式を完成させたのです。いまもこの様式を「飯田屋」や「八郎手」と呼ぶのは彼の名前に由来します。
 ここに端を発した赤絵九谷は明治になり本格的に全国へと広まります。国を挙げての輸出産業があとを押し、広く海外までにもその名は轟きました。一番華やかだった明治時代、大聖寺を中心とする江沼九谷の赤絵職人だけでも200人を超えていたと言い伝えられています。このように赤絵細描九谷の基礎を築き上げた八郎右衛門の功績は計り知れなく、また影響を受けた門人たちも後世に大きな業績を残しました。
 本年、八郎右衛門が存在していたならばちょうど200歳を迎えます。その偉大なる足跡を顕彰するとともに、今後ますます赤絵細描九谷の発展を祈念して今回、106件、210点余りの宮本屋窯およびその関連作品を一堂に展観いたします。赤絵細描の美が集結するこの機会に、ひとりでも多くの皆様にご覧いただき、その素晴らしさを感じ取っていただければ幸いです。


会場 石川県九谷焼美術館
住所 〒922-0861 石川県加賀市大聖寺地方町1-10-13
電話 0761-72-7466
入館料 一般500円(420円)/高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体割引料金
交 通 小松空港から車で30分
加賀インターから車で10分
金沢西インターから車で40分
JR加賀温泉駅から車で15分
JR大聖寺駅から徒歩で8分
開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(祝日は開館)
URL http://www.kutani-mus.jp/
関連イベント ・ギャラリートーク(列品解説)
 日時:9月25日(土)15:30〜16:30
 解説:当館学芸員
 場所:企画展示室

・記念講演会「赤絵九谷の今と未来」
 日時:11月14日(日)14:00〜15:30
 講師:相上芳景氏・福島武山氏ほか
 場所:2Fホール

・九谷茶会と寺宝展
 日時:10月23日(土)・24日(日)
 九谷焼美術館から大聖寺山ノ下寺院群一帯で、五流派による大茶会と寺宝展がおこなわれます。

・併設展
常設展 魅惑の九谷優品展[後期展]