色彩とデザインの世界
ペルシアの陶器
<会期>平成16年10月1日(金)〜平成17年2月19日(土)
 かつて中近東は、世界有数の陶器の生産地でした。特に現在のイランで9世紀以降に製作された陶器は「ペルシア陶器」と称され、その色彩の鮮やかさとデザインの面白味で、欧米や日本に多くの愛好家がいます。ペルシア陶器は、はるばる中国から輸入された中国陶磁器とイランで製作された金属器の影響を受け、時代とともに変化してゆきました。
 9世紀から10世紀のイランの西部では、当時中近東の文化の中心であったイラクの影響を受けた陶器が製作されましたが、東部ではむしろ中央アジアとの関係が深い陶器が製作され、東西でそれぞれ特徴のある陶器が製作されていました。また12世紀から14世紀は、さまざまな装飾技法で飾られたバラエティーに富んだ陶器が製作され、ペルシア陶器の黄金期とも称されています。そして17世紀から18世紀は、ペルシア的な文様で飾られた陶器以外に、中国の青花磁器の模倣品も多量に製作され、海外にも輸出されたきわめて特徴的な時代です。
 本展では、中近東文化センターと出光美術館が所蔵する約170点の色彩豊かな陶器をとおしてペルシア陶器の歴史を辿るとともに、あまり知られていないイランで発掘された窯跡や窯道具、はるばるインド洋を超えて日本にまで運ばれたペルシア陶器、ペルシア陶器の製作地やイラン国内での需要を考えるうえで重要な資料となるイランの遺跡で採集されたペルシア陶器の破片そしてほそぼそながらも連綿と伝統技術を今に伝える現在イランの窯業などを写真パネルと考古資料によって紹介します。
 鮮やかな色彩とユニークなデザインで飾られたペルシア陶器をお楽しみください。

会場 中近東文化センター
住所 東京都三鷹市大沢3-10-31
電話 0422-32-7111
入館料 一般800円/高大学生500円
※団体15名以上200円割引、65歳以上及び中学生以下は無料
交 通 ・JR中央線武蔵境駅南口より小田急バス10分 西野下車のりば 2.国際基督教大学行(境93)3.狛江駅・狛江営業所行(境91)4.吉祥寺駅行(吉01)
・小田急線狛江駅より小田急バス35分 のりば 2.武蔵境駅南口行(境91)
・京王線調布駅北口より小田急バス35分 のりば 11.武蔵境駅南口行(境91)
・調布IC立川方面出口より上石原交差点右折、天文台通りへ
開館日 水曜日、金曜日、土曜日の週3日
開館時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
URL http://www.meccj.or.jp/
関連イベント ・講演会
 平成16年10月23日(土)「ペルシア陶器の歴史を辿る」
 平成16年11月27日(土)「日本に運ばれたイスラーム陶器」
 平成17年2月12日(土)「ペルシア陶器を焼いた窯とイランの現代の窯業」
 講師:岡野智彦(中近東文化センター研究員)
 会場:中近東文化センター講堂 定員:100名
 開始時間:毎回14時から
 ※参加ご希望の方は電話・FAXでお申込ください。聴講料300円

・展示解説
 平成16年10月〜平成17年2月までの毎月第1、第3土曜日の13時より展示解説をいたします。