特別企画展
まねる―イスラーム陶器と中国陶磁器―
<会期>平成16年10月23日(土)〜11月28日(日)
 9世紀頃、突如として「イスラーム陶器」が出現します。その背景には中国製陶磁器との出会いがありました。
 アッパース朝の統治が安定しはじめた8世紀末から9世紀、ユーラシアの東端では唐王朝が空前の繁栄を享受していました。人々はきそって珍奇な品々を求め、アッパース朝の都バグダットへ集まりました。そうした交易品の一つに白磁があったのです。あくまでも白く、金属器のような硬質感を持つ唐白磁はイスラーム世界の人々に熱狂的に受け入れられました。以降、イスラームの諸都市では中国陶磁のうつしが大量に生産されることになります。しかし、こうした行為はただの「模倣行為」ではありませんでした。技術革新を伴った「変革」の過程だったのです。「イスラーム陶器の到達点」のコーナーでは色釉を用い、華麗な上絵付けの「ミナイ手陶器」、金属の光沢を再現した「ラスター彩陶器」の逸品から、中国陶磁に追いつき追い越せと切磋琢磨したイスラーム陶工の美意識が読み取れます。
 また、当展覧会ではイスラームの陶工たちが生みだすことのできなかった磁器とは何か、追い求めた白さと硬質感を体感していただくよう、実際にさわっていただくコーナーを設けます。彼らが追い求めた何かを、追体験していただけることでしょう。

■出品内容
イスラーム陶器 約80点
中国陶磁    25点程度
その他資料

会場 岡山市立オリエント美術館
住所 岡山県岡山市天神町9-31
電話 086-232-3636
入館料 一般600円(前売り500円)/満65歳以上の方と高大生400円/小中生200円
20名以上の団体は各100円割引
身障者とその付添人1名(障害者手帳をご提示ください)
交 通 ・JR岡山駅東口より路面電車「東山」行きで約5分、「城下」下車、左手すぐ
・JR岡山駅東口より徒歩15分
休館日 毎週月曜日
開館時間 9:00〜17:00(入館は午後4時30分まで)
URL http://www.city.okayama.okayama.jp/orientmuseum/
関連
イベント
・美術館講座
 11月20日(土)13時〜16時30分
 岡山市立オリエント美術館所蔵のイスラーム陶器
 講師:四角隆二(岡山市立オリエント美術館学芸員)
 定員:100名 聴講無料