重要無形文化財保持者認定記念 人間国宝
十四代酒井田柿右衛門展
2002.08.30

 佐賀県有田の陶芸作家・十四代酒井田柿右衛門さんの個展が福岡にて開催されます。濁手と呼ばれる独特の乳白色の素地に上絵付けを施した「柿右衛門様式」を受け継がれています。

 2001年7月に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された、十四代酒井田柿右衛門氏の洗練された作品世界をご紹介します。1640年代、初代 酒井田柿右衛門が試行錯誤を重ね日本で最初の色絵磁器を産み出したと伝えられています。さらに1670年代には『濁手』という乳白色の素地に、繊細な上絵付けを施した「柿右衛門様式」と呼ばれる質の高い技法を創出。「濁」は佐賀の方言で米の研ぎ汁のこと。その米の研ぎ汁のように柔らかみのある色合いの白磁であることからこの名が付けられました。以来、柿右衛門窯に受け継がれてきたこの技術は、1971年に国の重要無形文化財の総合指定を受けています。十四代柿右衛門氏は一作家として個展や展覧会を舞台に創作活動を展開。「作品に時代性が感じられる仕事をしたい」との言葉通り、その絵柄とデザインは伝統の柿右衛門様式であるものの、現代を呼吸し時代性を求めたものとなっています。本展は江戸時代から続く伝統と、今を生きる十四代柿右衛門氏の作家性がいかに調和し、発展してきたかをたどります。



■会場
 福岡三越9階「三越ギャラリー」(福岡県福岡市中央区天神2-1-1
 電話092-724-3111)

■会期
 平成14年9月3日〜16日(会期中無休)

■開館時間
 10:00〜20:00