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絵で見るやきものの世界 描かれた職人たち
大日本物産図会・肥前伊万里陶器造図(二)
大日本物産図会・肥前伊万里陶器造図(二)
三代広重
1877年刊行
C佐賀県立九州陶磁文化館所蔵
 (一)では成形の様子が描かれていましたが、こちらは上絵つけの様子が描かれています。画面右手には素焼きを行う窯が見えます。男性が素焼きが終わった器を籠にいれて運びだしているようです。その奥では二人の女性が布を使って、器の汚れを拭いています。手前の女性と子供は、釉をかけた器を並べて乾かしているのでしょうか。家屋の中では、素焼きを終えた器に上絵付けが施されています。赤、黄と鮮やかな文様が描かれています。絵付けをしている中央のめがねの男性は、貫禄がありベテラン職人といった感じです。その左右にいる絵付け師は二人とも若く、特に左手のザンギリ頭の男性は見習いといったところでしょうか。絵付けが終わった器は、大壷あり鉢ありと華やかな雰囲気が伝わってきます。

その2
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