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行ってきたよ有田陶器市
2005年 第102回・有田陶器市
うまか陶スタッフ 有田陶器市 怒涛?!の散策日記


■ 取材を終えて ■
「『おもてなしの心』―人と器の新しい出会い」をテーマとした第102回有田陶器市も無事終了。今回は各商店街や個々の商店による「碗琴演奏」・「喫茶休憩所」・「体験工房」など新しい試みや、お客様へのサービスなどがいくつか見受けられ、新しい陶器市の風を感じることができました。また関係者の方もご苦労はあったかと思いますが、長年続けられているサービスイベント「朝粥サービス」などは、もはや陶器市のひとつの大きな名物となり、お客様と開催側、またはお客様同士のほのぼのとした交流の場にもなっていたようです。長年続いてきた、また全国最大級の陶器市だからこそ、お客様の期待感は年々増していくばかりでしょう。次世代に繋ぐ陶器市の姿を、今回の取材を通して私たちなりに考えてみました。
変化の波…

 年で102回目を迎えた有田陶器市。昨年の取材レポートで「ほとんどお客さんが出入りしない店もありましたし、朝から晩までお客さんがひっきりなしという店もあります。この格差は回数を重ねるごとに今後顕著になっていくだろうと予想されます。」と書きましたが、今年はこの格差がさらに大きく開いたように感じました。特に今回、店の中まで入る、あるいはのぞいているお客さんが、期間中通して大変少なかったのです。
ここにはお客さんの目的の変化もあるようです。陶器市といえば「安くていいお買物」が楽しみですが、「とりあえず、行ってみよう」と思う人が多かったのでは?
また今年のGWの大型化や様々な要因がからみ、「母娘コンビ」などの「主目的は買物」のお客様が少なかったように思われます。
 「とりあえず」行ってみても、ステキなモノや、そそられるコトがあれば、ついつい買物もしてしまうでしょう。しかし、今年はこの「ついつい」心に火をつけてくれるモノやコトが正直いってあまり見当たりませんでした。残念ながら、品揃えに特色や目新しさを感じることができず、更にコピー商品では?と思うような品もちらほら見受けられました。

 場者は期間を通して109万人(有田商工会議所発表)と前年を6万人上回る成績。陶器市に対する期待感はますます増すばかり!
見て楽しむのが中心となるお祭りとは異なり、有田陶器市はお祭りとはいえ「買う」といういわゆる「市」でもあるわけです。そこにお客の購買意欲をわきたたせる仕掛けや商品、満足度を与えるモノ・コトが求められてきています。もちろん、店や窯単位でこれらを努力されているところはあります。そういった所は、今回も多くのお客さんで賑わっていました。混雑しているお店では、お客さんの目がキラキラ(「ギラギラ」かも(笑))しているんですね。こういう「キラキラ」と「ついつい」心が合体すると、バーンと買っちゃいます!しかも、買った後の満足度も高い!
 しかしあの広い会場で開催されるイベントとあっては、イベント全体として満足度の高いモノ・コトを提供する仕掛けが必要とされているのではないでしょうか。そうすることで、先にあげた「母娘コンビ」などの層を、毎年来場に導くこともできるかも。
実際、私も「キラキラ」と「ついつい」を触発してくれる誘い水に誘われたいのです(笑)
情報提供

 
達は取材のために、事前に陶器市の情報をなるべくたくさん集めます。イベントはもちろん、窯や店単位で行われるセールや限定販売なども!ところが、毎度ながら当日会場に着いて、初めて知るというイベントも少なくありません。その度ごとに、「○○時にどこそこだ!」と慌てて移動します。開催ぎりぎりになって日時や内容が決定するイベントもあるのでしょうが、普段でもせっかくステキなイベントや展覧会があっても、なかなか表に伝わってきません。観光客を呼び込む、また期待感を膨らませる為にはこの「情報提供」・「告知」は重要な役割をはたします。

 また取材レポート(5月2日)でも述べましたが、これからは
リアルタイムでも情報発信する機能も求められることでしょう。そうなると、ますます情報収集及び発信スキルが求められてきます。町全体を使った広い会場だからこそ、的確な情報提供によってお客さんにより楽しい場や時間を探す「きかっけ」を提供できることも可能になってきます。まず情報があって「探す楽しみ」も出てきますので、ぜひ力を入れていただきたい分野です。
お客さんからの情報発信

 ころで「情報」というと、特に今回目をみはる勢いだったのが、個人の「ブログ」。 とにかく良くも悪くも、個人の情報発信はすごいスピードなのです!そしてこういったツールを使っている人たちは、強力な有田陶器市の口コミリーダーでもあるわけですね!昨年あたりからこの「ブログ」にも有田陶器市の様子が紹介されているのをちらほら見受けられましたが、「ブログ」利用者の増加にともない、今年は陶器市の様子を綴った沢山の個人の日記を読むことができます。ブログで有田陶器市を紹介してくれている人たちは、「口コミしたい」、つまり「楽しかったよ」という感想を他人に伝えたいという人たちがほとんどでしょう。中には辛口なご意見や、嫌な思い出として書いている人もいますが。せっかくこういった人たちが存在する、そしてブログというリンク性や即効性の高いツールがあるので、ぜひ情報告知やお客様との情報交換の場ができればいいなと思います。
 
 の個人ブログの有田陶器市日記を読んで感じたことをひとつ…。男性と思われる筆者は陶器市の全体的な雰囲気や様子を伝えている人が多し!そして女性と思われる筆者は、まさにピンポイント(4月29日のレポート)攻撃(?)の様子をピンポイントで紹介されている人が多いんですね。そして写真もうまいし、文章もうまい。こういった人達の感想を読んでいると、前出の「キラキラ」・「ついつい」の仕掛けのヒントが隠されているのかも。またこのような層をリピーターに繋げていくことができれば、口コミが広がり、来場者数が増加することも見込めると思います。お客さん同士の「口コミ」が一番協力だと思うのです。

 かしこのブログにもマイナス面があります。実はお客さんではなくお店側の方でもブログを公開されている方が多数いらっしゃいます。もちろん自分のお店の宣伝や、お客さんへの告知に利用するのはいいことだと思いますが、中にはブログや掲示板などに「お客に対する不満」を書いている人がいらっしゃいます。誰もが見ることのできる公のネットの場で「値切るお客には売りたくない」・「売れないのはお客がその価値を理解できないからだ」などと書かれていますが、消費者として言わせていただければ「こんなお店では買いたくないな」というのが正直な気持ち。
 ょっと辛口になってしまいましたが、有田陶器市はほんとに楽しく、毎年期待が膨らむ要素&ポテンシャルを持っています。長年続いてきたイベントだからこそ、次に求められるステップ、そして新しい時代の変化への対応をいかに早く、そしていかに浸透できるかが、今後のポイントになってくると思います。 最後に関係者のみなさん、町のみなさんおつかれさまでした、そしてありがとう!また来年も楽しみに出かけたいと思います。
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