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■今泉今右衛門窯 初窯出し 平成13年1月6日

イメージ みなさん、あけましておめでとうございます。今年最初の「行ってきました見てきました」は有田・今右衛門窯の初窯出しです。
さむーい冬の朝、午前8時から行われました。13代今泉今右衛門さんをはじめ、今右衛門さんの長男善雄さん、雅登さんそれに今右衛門窯で働く職人さんたち総勢25名ほどの人が工房中央にある薪窯前に並ばれました。まず、陶山神社の神主による神事が行われ、その後今右衛門さんが窯の蓋を開けて初窯出しがおこなわれました。
初窯出しは、窯やろくろへ感謝し、今年の工場安全や繁栄を祈念するもので、代々執り行われている仕事初めの行事です。今回は年末に薪の窯で36時間かけて本焼きされた作品、約500点が窯から取り出されました。この作品の中には今春開催予定の個展作品も含まれているそうです。取り出された作品はこの後、上絵付けを施されて上絵焼成を行って完成です。

イメージ13代今右衛門さんにいくつかお話を伺いました。

今回の窯出しの感想はいかがですか―

そうですね、窯の上がり(絵付けや磁肌)は良いのですが大作の壺2本に傷があるので、ちょっと残念ですね。でも1本いいのがあがっていますので、よかったですね。なかなかやきものは難しいですね。

イメージ21世紀になりましたが今年の抱負は?―

世の中がどれだけ変化しても、やきものの本質を追及していくことが大事だと常々思っています。自分の世界をまじめにつきすすんでこそ、今後の新しい世界へのつながりができると思っています。伝統的な鍋島技法と現代の美しさを融合したもののなかに新しい美があると思うのでそれを追求していきたいですね。

大英博物館での佐賀県陶芸展等、海外へ佐賀のやきものが紹介される機会が増えていますが―

2、3年前にパリで個展を開いたのですが、「やきもの」という作品を通した国際交流は大変良いものだと私も含め周囲のみなさんも感じていらっしゃるようですね。これは世界のどこの国の人も「やきもの」は身近ですし、「やきもの」に対する心が同じためではないかと思うのです。来夏には佐賀のやきものの源ともいえる韓国でやきものの博覧会がありますが、とても楽しみですね。
取材風景1
取材風景2
取材風景3

■取材を終えて
めったに見ることのできない窯内にもお許しをいただき、見学させていただきました。今年で75歳という今右衛門さんですが、取り出した作品を手にされた時の目の輝きが印象的でした。今後も様々なイベントに突撃取材に行ってきますのでどうぞお楽しみに!
(※初窯出しは報道陣のみで一般公開はされておりません。ご了承ください)

●今泉今右衛門窯
【所在地】 西松浦郡有田町赤絵町2-1-15
【電 話】 0955-42-3101
【交 通】 JR有田駅から車で3分
【駐車場】
【店休日】 第1日曜
展示館・今右衛門古陶磁美術館を併設しています。