所蔵作品展 近代工芸の百年
<会期>平成15年12月9日〜平成16年2月1日
 日本の近代工芸は、技巧の粋を尽くした明治時代の華麗な工芸品に始まり、やがて作家としての目覚めの時代を経て、多様な表現の場へと展開してきました。
 1920年代には、作者の内面を表現しようとする試みとともに、民芸運動のように、工芸を通して正しい社会のあり方を提言しようとする動きもあらわれてきます。戦後は、伝統への意識が高まる一方で、゛オブジェ"という、これまでの工芸にない新しい表現が登場し、工芸独自の可能性が、さまざまな面から探られるようになりました。
 今日では、工芸という分野に見られる独特な精神性を、美術史全体の問題として見直そうとする視点が示されているほか、素材や技術の意味に注目した新しい造形論も、さかんに論じられています。本展では、工芸に対するこのような新しい視点を盛り込みつつ、約80点の作品によって、日本の近代工芸のあゆみを紹介します。

T 明治の技巧―初代永澤永信(寄託作品)・初代宮川香山ほか
U 大正・昭和「図案家から工芸家へ/民芸運動の作家たち」―広川松五郎・河井寛次郎ほか
V 工芸のモダニズム―磯矢阿伎良・高村豊周ほか
W 戦後の工芸[伝統/生活/造形]―金重陶陽・森正洋・八木一夫ほか
X 素材からの出発[ファイバー/クレイ]―久保田繁雄・井上雅之ほか
Y 1990年代以降の表現―小川待子・大村俊二・古伏脇司ほか


会場 東京国立近代美術館工芸館
住所 〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園1−1
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
入館料 一般200円(100円)/大学生70円(40円)/高校生40円(20円)
※( )内は20名以上の団体料金、いずれも消費税込み/小・中学生および65歳以上は無料
●無料観覧日 1月4日(日)・2月1日(日)
交通 地下鉄東西線 竹橋駅1b出口徒歩8分、地下鉄東西線・半蔵門線・都営新宿線 九段下駅2番出口徒歩12分
開館時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日(但し1月12日は開館し、1月13日は休館)、年末年始(12月29日〜1月1日)
URL http://www.momat.go.jp/
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・当館研究員によるギャラリートーク
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 1月10日 現代の工芸     冨田康子
 1月17日 やきものの百年   唐澤昌宏
 1月24日 近代工芸の百年  金子賢治
 各日とも14:00から工芸館会場にて