宮崎の陶磁器 ―その源泉をたどって―
<会期>平成16年1月10日(土)〜2月11日(水)
 宮崎は九州の他の地域と比べ、やきものが少ないと言われてます。しかし、県内をあらためて見てみると、古くは、8世紀から9世紀にかけて須恵器を焼いた窯がありました。中世には、簡単な構造の窯で焼かれた素焼きの土器が地域単位で生産されています。そして、「やきもの戦争」と言われる文禄・慶長の役(1592・1597)から始まるやきものの大きな歴史の流れは、宮崎の地にも何らかの影響を及ぼしたのではないかと考えられます。その中で、江戸、明治、大正、昭和といくつかのやきもの窯が築かれました。
 これらの窯の成り立ちは、都城の焼物所のように、藩主の意向で築かれたもの、南郷町の脇本焼や、西都の都万焼のように、篤志家が地域に産業を興そうと私財をなげうって開いたもの、明治になって人の移動が容易になり陶工たちが自らの意志で宮崎に移り住み築いたものなど、様々でした。そこでは、茶碗、皿、徳利、壷などの日用雑器から、高い技術を要する透かし彫りの香炉や染付の皿など様々なものが焼かれました。現在見ることのできるこれらのやきものからは、ものづくりにひたむきに取り組んだ陶工たちの想いが伝わってきます。
 本展覧会は、江戸時代後期から昭和にかけて宮崎で焼かれた小峰焼、丸山焼、庵川焼、小松原焼を紹介するとともに、県内の作品に大きな影響を与えた鹿児島、長崎、島根のやきものを展示し、宮崎のやきものの源泉をたどります。
■展示作品 染付菊文透彫三脚付香炉 脇本焼
蛇蝎釉耳付花瓶 小松原焼
染付岩字笹文皿 丸山焼
染付芦鳥文筒形碗 脇本焼
灰釉片口 都万焼
ほか約100点

会場 宮崎県立美術館
住所 〒880-0031 宮崎県宮崎市船塚3-210
電話 0985-20-3792
入館料 大人500円(400円)/高大生300円(200円)/小中生200円(100円)
※( )内は20名以上の団体割引
交 通 ・JR宮崎駅よりタクシー約15分
・JR宮崎神宮駅からタクシー約5分、徒歩20分
開館時間 10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日 1月13日、19日、26日、2月2日、9日
URL http://www.pref.miyazaki.jp/kyouiku/bunka/bijutsu/
関連イベント ・記念講演会
 講師:薩摩焼宗家14代 沈壽官氏
 演題:「陶房雑話」
 日時:平成16年1月11日(日)14:00〜15:30
 会場:宮崎県立美術館1階アートホール(入場無料)
 定員:120名(定員を超えた場合は抽選)
 申込:往復ハガキかFAXにて、詳細は当館学芸課普及係まで

・本館学芸員による作品解説
 日時:平成16年1月18日(日)・25日(日)・2月1日(日)・8日(日)14:00〜15:00