益子焼の父 濱田庄司展
<会期>平成16年2月19日(木)〜3月29日(月)
 濱田庄司は栃木県益子の陶土と釉薬を用いた素朴で重厚な作品を制作し、益子焼を全国的な焼き物としました。また、沖縄をはじめ全国各地を訪ね、日常の暮らしに使われてきた飯茶碗や小皿などの雑器に美しさを見出し、生活の陶器を温もりのある民芸品に高めました。
 濱田の生涯を貫く作陶活動には、濱田を囲む先達に恵まれたことは欠かせません。陶芸家・板谷波山を尊敬して入学した東京高等工業学校で、先輩の河井寛次郎を識り、卒業後、河井と釉薬の研究をした京都で、富本憲吉との交流が始まります。25歳の時、千葉県我孫子の窯にバーナード・リーチを訪ね、柳宗悦、志賀直哉とも近しくなります。翌年、リーチの誘いにより英国の片田舎セント・アイヴスで築窯を手伝い、3年にわたり作陶を行いました。
 西洋、東洋それぞれの地方の生活が持つ固有の生活様式を融合させ、帰国後は益子に入り、最上とは言えない益子の土と釉薬を独力で研究しながら、土地柄通りの健康に満ちた生き生きとした実用的な作品を造りました。
 柳が提唱する民芸運動に共鳴し、柳、河井とともに全国隅々まで歩き、中国、朝鮮にも足をのばして民芸品の発見と調査を行いました。
 後年は、柳、志賀等と欧州、米国、豪州などの諸外国でも展示会、講習会、講演を重ね、日本民芸の普及に努めました。柳の跡を継いで二代目の日本民藝館館長や日本民芸協会会長などを務め、84歳で亡くなる前年には念願の益子参考館を開館しました。
 このたび、川崎市市民ミュージアムのご協力をいただき、同館の所蔵品による濱田庄司の展覧会を開催いたします。

■主な出品作品
鉄砂黍紋抜絵茶碗 昭和12年作
赤絵小鉢(6点)   昭和13年作
藍塩釉櫛目鉢    昭和30年作
塩釉丸紋藍差鉢  昭和35年作
など55点

会場 湯河原ゆかりの美術館
住所 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上623番地の1
電話 0465-63-7788
入館料 大人600円(500円)/小・中学生300円(200円)
※( )内は15名以上の団体割引
交 通 JR湯河原駅より
・タクシーで約8分
・バスで約15分(不動滝又は奥湯河原行き「美術館」下車すぐ)
開館時間 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日 毎週水曜日(休日にあたるときは翌日)