古唐津 桃山陶芸の至宝
<会期>平成16年3月13日(土)〜5月30日(日)
 古陶磁ブームの昨今、陶芸ファンを惹きつけてやまないやきものが古唐津です。華美で刺激的なモノや映像に囲まれて生きているわたしたちにとって、素朴な古唐津との出会いは、いにしえの心のふるさとに帰ったようななつかしさを呼び起こしてくれます。疲れた現代人のこころをいやしてくれる滋味あふれるやきもの、それが約400年前の桃山時代に九州・佐賀の地に生まれた古唐津なのです。
 出光コレクションとしては18年ぶりですが、ここに九州の田中丸コレクションの逸品などが加わり、まさに古唐津コレクションの東西の両横綱が揃い踏みする約半世紀ぶりの大展覧会(約150件、総数約200点)となります。
 展示作品は奥高麗茶碗などの茶湯の名陶ばかりでなく、徳利・盃などの酒器や懐石器などの宴のうつわを一堂に展示し、その魅力のすべてをご堪能いただきます。

 また古唐津を文様・釉薬・器形などの装飾的観点から見つめる、いわば美術史的な視点による初の展示構成も見所のひとつです。これによって日本陶磁史上、画期的な装飾革命を起こした古唐津の歴史的な重要性をより深くご理解いただくことができるでしょう。
 さらに近年きわめて注目を浴びている考古学による研究成果を展示に反映し、著名な窯跡や大坂城跡出土の陶片資料など最新の情報によって「古唐津は/いつ/どこで/どのように/生まれ、そして使われたのか」という謎に、わかりやすく答えます。
 なお、今回の展示内容と最新の研究成果をふんだんに盛り込んだ図録は、古唐津の決定版として、研究者ばかりでなく愛陶家にとっても必携の資料です。

※右上写真(絵唐津柿文三耳壺)
■主な展示作品
「奥高麗茶碗 銘 三宝」(重要文化財)     和泉市久保惣記念美術館蔵
「奥高麗茶碗 銘 秋夜」(出雲松平家伝来)  出光美術館蔵
「奥高麗茶碗 銘 さざれ石」(松浦家伝来)   出光美術館蔵
「奥高麗茶碗」(水戸徳川家伝来)        出光美術館蔵
「奥高麗茶碗 銘 閑窓」             田中丸コレクション
「絵唐津菖蒲文茶碗」               田中丸コレクション など
※田中丸コレクション作品は4月6日より展示します。

会場 出光美術館
住所 東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9F
電話 ハローダイヤル03-5777-8600(展覧会案内)
入館料 一般800円(600円)/高大生500円(300円)
※( )内は20名以上の団体料金
交 通 JR線 「有楽町」駅下車(国際フォーラム口)
地下鉄三田線・日比谷線・千代田線 「日比谷」駅下車
地下鉄有楽町線 「有楽町」駅下車
開館時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日
(ただし、5月3日(祝)は開館し、振替休館はありません)
URL http://www.idemitsu.co.jp/museum
関連イベント ・列品解説
3月18日(木)、4月1日(木)、4月15日(木)、5月13日(木)、5月20日(木)
いずれも午前10時30分より(都合により時間は変更になる場合があります)