春季特別展
「長安 陶俑の精華 〜汗血馬と美女の系譜をたずねて〜」
|
<会期>平成16年3月16日(火)〜6月10日(木) |
古代中国の人々は、死後も魂は墳墓に留まり、生前と同様の生活を続けると考えました。権力のある人が亡くなると、彼らに奉仕するための兵士や、官人、侍従、奴僕などにかたどられた像を、主君とともに埋葬したのです。人間のほかに、邪霊の進入から霊を守る鎮墓獣や、動物、家屋、井戸などをかたどったものも含まれています。木や銅、陶器などで作られたこれらの像を「俑(よう)」といい、陶器で作られたものを特に「陶俑(とうよう)」と呼んでいます。これらはもともと日常生活を再現したものであったため、当時のありさまを活き活きと伝える写し鏡になると同時に、深い精神性と優れた造形は芸術作品としても魅力にあふれています。
本展は陝西省文物局ならびに陝西歴史博物館の全面的な協力により、長安(現在の西安)周辺から出土した、漢から明にいたる歴代王朝の人物俑や動物俑119点に、当館からの参考出品をあわせて合計132点で構成されます。中でも唐時代(618−907)の俑には選りすぐりの名品がそろいます。本展を通じて、西方への憧れであった、一日に千里を走り血の汗を流すという伝説の汗血馬の表現や、華やかな美女たちの変遷を辿りながら、古代中国の13の王朝が都をおいた長安の息吹を体感していただければ幸いです。
十二支 |
騎馬女子俑 |
駱駝に乗る楽人 |
■展示計画
1、漢時代 20点 参考出品 1点
2、南北朝時代 22点
3、唐時代 66点 参考出品 1件(12点)
4、宋時代以降 11点
■主な展示作品
騎馬女子俑 陝西歴史博物館蔵 黄釉加彩 唐時代
駱駝に乗る楽人 陝西歴史博物館蔵 三彩 唐時代
馬 陝西歴史博物館蔵 灰陶加彩 前漢時代
侍女 陝西歴史博物館蔵 灰陶加彩 前漢時代
化粧する女子 陝西歴史博物館蔵 三彩 唐時代
十二支 陝西歴史博物館蔵 加彩 唐時代 |