本展覧会は、既存の枠にとらわれず、多様に展開した日本の現代陶芸の自由な造形美に着目し、あたかもそのカタチが、空間を切り取るかのごとき様相を当館のコレクションにて紹介するものです。
焼き物鑑賞の魅力の一つは、土素材ならではの味わいが醸し出されるところにあると考えますが、現代陶芸作品を前にするとき、さらに多くのさまざまな表情をみてとることができます。
そして、どんな土を使った作品でも、どんな釉薬をかけた作品でも、どんな模様を施し焼成した作品でも、その空間の中で凛然と、生まれ出でた“カタチ”を持ってそこに在るのです。
立ち上がる土の輪郭線… 面と面が生み出すカタチの際… 空間とカタチとの境界が生み出すドラマチックな表情… その美しさに出会うことを今回、鑑賞の切り口としてみました。
展示構成は、
@うつわが/を切る<展示室1.2> A構成が切る<展示室3> B土が切る<展示室5> C心象が切る<展示室7.8> Dもようが切る<展示室9> Eいろが切る<展示室10・11>
とし、身近な“うつわ”からさまざまなカタチへ鑑賞が広がっていくようにしました。
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