特別展 平賀源内のまなざし 源内焼(げんないやき)
<会期>平成16年4月20日(火)〜6月27日(日)
 「源内焼」は江戸時代中期の宝暦5年(1755)に、讃岐国志度(現在の香川県さぬき市志度)で、平賀源内(1728〜1779)の指導によって始まったとされるやきものです。本草学者・戯作者として知られる平賀源内は、起業家でもあり、殖産興業を目的とした陶器生産を提唱し、海外への輸出販売までも視野に入れていました。
 源内焼は、技術的には桃山時代以降、日本のやきものに影響を与え続けた中国の華南三彩と同系列の軟質の施釉陶器で、緑、褐、黄などの鮮やかな釉色を特徴としています。精緻な文様はすべて型を使って表され、世界地図、日本地図、欧文文字などの斬新な意匠が試みられています。一方で、中国や日本の絵画の画題なども取り入れられ、様々な創意工夫をこらし、進取の気性に富むものです。西洋風の意匠は、源内が長崎遊学の際に得た知識によるものと考えられます。
 源内焼については、生産窯址やその規模、陶工と平賀源内との関わり方など、まだ明らかになっていない部分が多くあります。しかし東京や高松などの消費遺跡で、わずかながらも源内焼の出土資料が確認されており、研究は現在ようやく緒についた段階であるといえます。
 今回の展覧会は、長年にわたって収集された個人コレクションを中心に約90点の作品を展示して、源内焼の概要を始めて紹介し、あわせて中国と日本の三彩陶や緑釉陶を展示し、それらを比較検討することによって、陶磁史における源内焼の意義を考察することを目指しています。


会場 大阪市立東洋陶磁美術館
住所 大阪市北区中之島1-1-26
電話 06-6223-0055
入館料 一般900円(750円)/高校・大学生600円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
身体障害者手帳、ツルのマーク付健康手帳、大阪市交通敬老乗車券等をお持ちの方、中学生以下は観覧料が無料になります。
交 通 地下鉄御堂筋線/京阪電車「淀屋橋」、堺筋線/京阪電車「北浜」各駅より徒歩5分
開館時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(5/3を除く)、4/30(金)、5/6(木)
URL http://www.moco.or.jp/