特集展示 大坂出土の肥前陶磁−唐津焼と伊万里焼の出現−
<会期>平成16年5月19日(水)〜7月5日(月)
 「肥前陶磁」とは、肥前(現在の佐賀県、長崎県の一部)で焼かれた陶器「唐津焼」と、磁器「伊万里焼」を総称した呼び名です。唐津焼は、天下が豊臣氏の時代であった16世紀末、朝鮮の焼物生産技術の影響を受けて始まり、すでに国内で焼かれていた瀬戸・美濃地方(現在の愛知県・岐阜県)の焼物と並んで、広く全国に流通しました。
 また、徳川氏の時代となる17世紀になると、唐津焼を生産していた肥前の窯場では国内初の磁器である伊万里焼の生産に成功します。伊万里焼は、それまで中国からの輸入に頼っていた染付磁器に代わるものとして、一気に全国に流通していきます。
 当時、京・江戸と並ぶ大都市であった大坂には、これらの肥前陶磁が大量に運ばれ、使用されていたことが発掘調査の結果わかっています。また、生産地の最新の製品が流通する市場であったことも発掘資料から知ることができるようになってきました。本展では、年代が明らかな大坂出土の皿や茶碗など約50点の展示資料を通して、肥前陶磁の出現と変化について考えます。
 当時大坂で流通していた肥前陶磁の姿を示す遺跡出土資料と、伝世された優品が一同に会した特別展「初期伊万里展−染付と色絵の誕生−」<会期:平成16年6月2日(水)〜7月12日(月)>をあわせてご覧頂くことで、肥前陶磁を受容した大坂の姿がより鮮明に浮かび上がることとなるでしょう。

※写真左上(伊万里染付型打小皿・大阪城下町跡出土)
※写真右上(唐津松文大皿・大阪城下町跡出土)
■主な展示資料
・唐津松文大皿(大坂城下町跡出土)
・唐津三耳壺(大坂城跡出土)
・伊万里染付型打小皿(大坂城下町跡出土)

会場 大阪歴史博物館 8階特集展示室
住所 大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
電話 06-6946-5728
入館料 大人600円/高大生400円
※中学生以下・大阪市内在住の65歳以上の方、障害者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
交 通 地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目」9号または2号出口すぐ
大阪市営バス「馬場町」バス停すぐ
開館時間 9:30〜17:00(金曜日は20:00まで)
但し入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週火曜日
URL http://www.mus-his.city.osaka.jp/
関連イベント ・講演会「大坂における唐津焼と伊万里焼の出現」
日時:平成16年7月3日(土)14:00〜15:30
会場:大阪歴史博物館 4階講堂
募集人数:250名
参加費:300円(但し、常設展観覧券あるいはその半券を提示の方は無料)
申込方法:往復はがきに、参加者2名までの氏名、住所、電話、返信の宛名面に返信先を明記し当館「特集展示講演会」係あてにお申し込みください。締切は6月25日(金)必着。応募者多数の場合は抽選。

・展示解説
日時:平成16年5月29日(土)/平成16年6月19日(土) いずれも午後2時から30分程度
会場:大阪歴史博物館 8階特集展示室
参加費:無料(但し、常設展観覧料が必要です)
申込方法:当日直接会場へ