企画展
御深井釉陶器の魅力
<会期>平成16年10月29日(金)〜12月25日(土)
 桃山時代、京都・大阪といった畿内では茶の湯が流行し、数寄者たちの間では、それまでとは異なる新しい価値観による道具の見立てが行われ、志野・織部などのやきものが注目されていました。しかし、織部の時代も長くは続かず、衰退しやがて終焉を迎えます。織部に代わり焼かれはじめたのが御深井釉陶器でした。土岐市内では窯ヶ根窯、清安寺窯、八幡窯、隠居表2号窯などで後半期の織部と平行して御深井釉陶器が焼かれ始めました。文様や釉薬の多様な織部とは対照的で、単一釉薬で下絵付けによる文様を持たない青磁風のやきものが御深井釉陶器です。多彩な色調から一転してモノトーンの世界へ。それゆえ形を追求していくのが御深井釉陶器の特徴といえます。御深井釉陶器は中国陶磁の青磁を意識しているためか、古典主義的な造形が基本にあり、それに近世的な洗練さが加わり、華奢で優美な姿をしています。また、向付などは中国古染付にみられる具象的な造形の影響を受けています。織部のような派手さはありませんが、シンプルで凛とした美しさが御深井釉陶器の魅力といえるでしょう。
 今回は、斬新かつ独創的な造形を持つ織部とは異なる御深井釉陶器の魅力について館蔵品を中心に紹介します。

■展示構成
・織部から御深井釉陶器へ(元屋敷窯、窯ヶ根窯、八幡窯の出土遺物より)
・御深井釉陶器の茶道具
・型打ち技法による造形表現(向付より)

会場 土岐市美濃陶磁歴史館 第2展示室
住所 〒509-5142 岐阜県土岐市泉町久尻1263
電話 0572-55-1245
入館料 大人200円(150円)/高校・大学生100円(70円)/小中学生50円(30円)
※( )内は20名以上の団体料金
交 通 JR中央本線「土岐市駅」より徒歩10分
中央自動車道「土岐インター」より車10分
休館日 月曜日、祝日の翌日
開館時間 10:00〜16:30(ただし入館は16:00まで)