トップ >> 元気印の窯元 >> 草山窯
草山窯
そうざんがま


 雑誌の器特集記事の中で見かけるおしゃれな有田焼。どこの品かしら?とクレジットを見ると「草山窯」という名前によく出会います。伝統的な有田焼のよさを感じさせながらも、モダンで若い人にも気軽に使える雰囲気の草山窯の器。一体どういうところで生まれているのかと、有田は「う〜たん通り」と呼ばれる一角にある、草山窯を訪ね、代表取締役社長の草場孝之さんにお話を伺いました。

―こんにちは、わあショールームには、素敵な器がいっぱいですね。あれ?なんだかうさぎを題材とした図柄の器が多いような気がしますが。

 ようこそ。早速うさぎに気づかれました?うさぎは草山窯のマスコット的な存在なんですよ。着物の帯の柄にも使われたりしていますが、そこからヒントを得たんですよ。実はうさぎは中国では高貴な動物として珍重されていましたし、吉祥文つまりおめでたい文様として使われているのです。またうさぎは前にしか進まないので、その前進あるのみというところにも共感を持っているんですよ(笑)。
見た目にも愛らしくかわいらしさがあるので、女性の方には人気がありますね。

―文様にもいろいろな意味があるんですね。ところで草山窯さんの器は幅広い年齢層の方に人気がありますが、商品開発はどのように行っているのですか?

 そうですね、草山窯のスタッフも幅広い年齢で構成されているんですよ。また意外と有田出身の人が少ないんです。「珍しいね」とよく言われますけど。若いスタッフには、失敗してもいいから、どんどん新しいことにチャレンジしてもらっています。またいい意味でスタッフ同士が競い合うことで、器の完成度も高まると思っています。私自身、自分のスタイルを磨くことで、器を進化させていくことができると考えているので、日ごろから街へ出て、新しい風やデザインスタイルを吸収するように心がけています。
 それともう一つ、器づくりで大事にしていることは「いいものをつくるには、いい環境で」ということです。いい環境で気持ちよく仕事をすることで、人を喜ばせるような物ができあがると思っています。また仕事場が美しいと、お客様にも躊躇することなく作業をしている姿を見ていただけるでしょう?うちでは、作業場も「見せる空間」を意識していますし、ご要望があれば全作業工程を見ていただけるようにしています。どうです、これから作業場をご案内しますよ。

―美しい仕事場…耳が痛い話です(笑)、ぜひそちらにもお邪魔させてください。(場所をショールームに隣接した作業場にかえて…)わー、ほんとにきれいですね。建物自体もおしゃれですが、きちんと整理整頓されていて!でも、窯元さんで作業場を公開されているところは、案外少ないですよね。企業秘密なんかは大丈夫なんですか?

 あはは(笑)、隠すようなことはないので大丈夫ですよ。それに、作業場がひっくりかえっているからお客様に見せるなんてどんでもない、というところも結構多いと思いますよ。
うちでは、絵付けなどの繊細な作業も間近で見てもらっていますが、これもお客様への大きなサービスと考えます。有田焼で手描きの器となると、ちょっと値がはるのが事実でしょう。でも、こういう作業を見ていただくことで、それだけの価値があることを納得していただけるし、器がうまれてくる過程も知っていただけます。お客様が、より素敵で楽しい器との出会いや暮らしを過ごしていただけたらと思いますね。またお客様とコミュニケーションすることで、私たちもどんな器を目指したらよいのかを勉強することができますから。作業中はお話させていただくのは、ちょっと無理ですので、陶器市期間中などは、スタッフみんなで積極的にコミュニケーションしております。

―ひとつひとつの工程に責任を持って取り組んでいらっしゃるのですね。私も見習わなくては!ところで、草山窯さんのロゴマークのデザインは、「器」の文字をデザインされていますが、どういう意味があるのですか?

 「大勢の人々に器づくりを通して豊かな生活を提案する企業」というのが、経営理念でして、マークの大の部分が「大勢」、人が「人々」、そしてすべてが集まって「器」。また「器」の口の部分には四季を表すとともに、飽きのこない器、料理を盛る器、普段使いの器、住まいに息づく器という四つのデザインポリシーを意味しているのです。

―なるほど、草山窯さんのすべてが凝縮したマークなんですね。今後の抱負をお聞かせください。

 そうですね、もちろんうさぎのようにどんどん、前進して行きたいですね。またやきものだけではなく、食生活や植物、インテリアとの融合を考えて、器づくりだけではなく、人々の暮らしをサポートしていけるような窯元になりたいと考えています。

 草場さんの「いいものをつくるには、いい環境で」という言葉には、思わずはっとさせられました。黙々と仕事をこなすことも大切ですが、それだけでは、どうしても自分よがりになってしまうのも確かです。いつ人に見られてもいい、そして自分も心地よく仕事をするという、謙虚で素直な姿勢が、のびのびとした楽しい草山窯の器をうみだしている最大の秘訣のようです。お話を伺った後、雲ひとつない青空がとても清々しく、草場さんの器と使う人へ対する敬意とだぶりました。
春と秋の陶器市期間中は、その時の新作セットの器でお客様におもてなしをなさっているそうです。お買い物をする前に、実際に器を使うことができるのもいいですよね。また日本橋三越にて開催予定の有田焼フェア(平成14年6月11日〜6月17日)に、草山窯さんの器が出展される予定です。お近くの方はおでかけになってみてはいかがでしょうか?
草山窯さんのホームページではカウントゲットプレゼントなどの楽しい企画が盛りだくさんです。
DATA
草山窯
所在地 〒844-0002 佐賀県西松浦郡有田町
中樽2-17-35
電 話 0955-42-2654
展示場
交 通 JR有田駅から車で10分
駐車場
店休日 日・祭日・変則休
(おでかけ前に電話連絡ください)
URL http://www.sozan.com/
Copyright(C)2002 Fukuhaku Printing CO.,LTD
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます