トップ >> ザ・コレクション >> 戦時中に製造された陶磁器製品(2)・防衛食容器
イメージ 戦時中に製造された陶磁器製品
≪その2≫
缶詰の代用品
防衛食容器

防衛食容器は非常食用缶詰の代用品で、元は名古屋の陶器会社が開発したものです。当時どの地方でも物資不足が続く中、幸い有田は石炭事情が良かったそうです。そこに目をつけて防衛食容器の量産を有田の陶磁器会社に請け負わせていたそうです。この容器は真空パックができる特許製品でした。 まず容器に食糧を入れ、蓋と容器の間にパッキンを挟みます。蓋と容器をしっかり圧力で密着させて、熱湯に浸した後、冷水に浸します。こうすることで容器内が真空になり、蓋と容器が密着するのです。開封する時は、蓋の中央部にある窪みをクギなどでつついて割ります。すると空気が入って蓋が開く仕組みになっています。 この容器はかなり市場に出回ったそうですが、中に入れる食糧が不足して結局は生産中止に追い込まれました。
イメージ 防衛食容器は現在の塩田町、鹿島市、波佐見町で量産されていたそうです。これは塩田町で製造されていたものです。容器側面には「防衛食 大日本防空食糧株式会社 特許真空容器」の文字。蓋には「防15」の記号が記されている。
防衛食容器
昭和18年頃
C志田焼資料館所蔵


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防衛食容器は高さが約10cm、蓋の直径が約7.5cm程。蓋部の中央の窪みに穴をあけて開封しました。窪みがわかりやすいように、矢印で示されています。窪みの下部には「フタヲトルニハ釘デクボミニ穴ヲアケ」の説明書きがある。
防衛食容器とその蓋
昭和18年頃
C有田町歴史民俗資料館所蔵


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資料提供先(順不同)
■有田町歴史民俗資料館 佐賀県西松浦郡有田町391-1 電話0955-43-2678
■志田焼資料館 佐賀県藤津郡塩田町久間乙3242-3 電話09546-6-2202
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