長岡市関原町の三十稲場遺跡(国史跡)で発見された「三十稲場式土器」には、甕形の土器にヘラなどの工具をひたすら突き刺す模様(刺突文)をつけ、それと対になる土製の蓋を多数つくる、という大きな特徴があります。これら特徴は約10,000年続いた縄文土器の歴史でもかなり異色で、一度みたら他の土器とは見間違えない個性的な土器群です。特に、土製の蓋をつくる流儀は、他ではほとんどみることはありません。
この三十稲場式土器は、縄文時代後期の初めころ、現在の新潟県の範囲を中心に大流行しました。北は青森県、西は奈良県まで類似した土器の出土が確認されていますが、本来の特徴をもつ三十稲場式土器は信濃川流域や阿賀野川流域の遺跡に集中しています。この意味で、「火焔土器」とともに「にいがた」の個性や独自性を示した縄文土器といえるでしょう。
今回の企画展では、約4,000前に花開いた、「にいがたデザイン」=三十稲場式土器を中心に展示・解説します。
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